第五回調査  山神トンネル


天気 小雨

現地についたのはAM1:30位であろうか

カーナビも目的地に近いことを知らせると、急に景色が変わる。

WRCのようなコースだ。

登山道のような荒れた道を登っていくと車の調子がおかしいことに気付く。

「ヤバいっすよ。シュナイダー君がおかしいっす!」

「どんな感じだ」

「坂、登れません。なんかサイドブレーキを引きっぱなしのような感じです」

ギアを一速にしてアクセル全開でもその場で停まってしまう。

この勾配で停まってしまうのはおかしい。
少し車を休ませて、我々もこの先の恐怖へのウォーミングアップをこなしたところで現地
に到着。





ここからは車で行けないので歩くことになる。


「ここで靴をはきかえよう」

「そうですね」

我々はこれまでの調査の経験上、靴のグリップの大切さを思い知らせられる事が何回かあった。
今回は特に雨
+アップダウンのある道なので現地用の靴を用意していたのである。


この時、助手は何気なくズボンのすそを捲り上げていた事が後の恐怖へとつながることは知る由もなかった。


トンネルまでは少し歩くことになる。

急な登り道で頭もクラクラしてくる。




しばらく歩くとトイレを発見。トンネル入り口へと到着していた。

我々は数枚の写真をとり、トンネルの中へと吸い込まれていく。




「さすがに心霊スポットらしい、禍々しい雰囲気だ」

「・・・」

中に入ると声が物凄く反響する。トンネルの全長がかなりあるというのはすぐにわかった。

入った感想は異空間へ迷い込んだような…

どれ位歩いただろう。全然先が見えない。

もしかしたら、もう入り口も出口もないんじゃないか。そんな感覚さえも芽生えていた。


今思えば1/3位歩いた所であろうか。助手は振り返りながら数枚の写真を撮っている。

「あまりこういう場所では振り返らないほうがいいぞ」

「そうですね。ですが、あと少しだけ写真を撮らせてください」





そうこうしている間に反対側の入り口についた。


「さあ、はやく折り返して帰ろう。もう疲れた」

「ちょっと待ってください。なんか息苦しくて」


急に助手は体調不良を訴えたので少し休むことにした。
最近暖かい日が続いていたので今日の寒さで疲れたのだろうと最初は軽い気持ちだったが、一向に回復する気配はない。



「もう大丈夫です。行きましょう。ここに長居してはいけない気がする」

「わかった。ただし、無理はするなよ」

我々は再びトンネルを折り返すことにした。

トンネル入り口は不気味に我々を飲み込む為に口を大きく開けているようだった。



帰りは少し下り勾配の為、歩くペースが上がる。二人とも息を切らしていた。

丁度トンネルの中間地点にさしかかった位であろうか。助手が再び体調不良を訴えた。


「教授、すみません。撮影、変わってもらえませんか?」

助手はトンネル内でうずくまってしまった。

「わかった、歩けるか?」

「はい」

助手は満身創痍で歩き始めた。


「さっきから眼の前をちらちら四つん這いのでかい蜘蛛みたいなのがいるんだが」

「あの人、我々を、、、」



助手はもはや喋る気力も残されていないようだ。

教授も眼の前のちらつく白い影を追い払うように歩いた。


トンネルの出口に着いた。



傘を持つ手が重たい。

ここで教授はある事に気付く。

「トイレの電気が消えている」

「本当だ。でも今日は本当におかしい事だらけだなぁ」



助手はそう、意味深な発言をして車までの道をスタスタと歩いていった。

さっきまでのぐったりした感じ一体なんだったのだろう。



「実はさっき、足、つかまれました」

「なに?」

「トンネルの中で右足をつかまれました。丁度このズボンのスソを捲り上げたところです」

「そうか、あの白いやつか」


我々は二人、肩を並べるように車へと戻っていった。

エンジンをかけるが、いつものシュナイダー君のフケではない。明らかにカブり気味だ。

この際、あまり深いことは気にせずに下山していく。

帰りは助手の体調を考慮して、教授が運転していた。

助手は帰り道、ボーっとしながら写真を撮っている。

下山途中にも何箇所か気味の悪い場所もあったのでカメラを動かしていたのであろう。




何箇所か撮影していると助手は奇妙なことを言った。


「あっ!あ〜、自転車か。まあ、しょうがない」

「な、なに?自転車?こんな時間に…」


「…」



ここで助手の撮った写真は中々の物が写っていた為、お約束のということで。

今回の調査はここまでだが、この後も怪奇現象は自宅に戻っても続くのであった。

この先は、下山途中に撮れた写真とともに、勇気のあるかただけお進みください。


























鹿?でしょうか?3匹くらいいました。
最近スポット帰りは動物遭遇率が高いような、、、




このレポートを書いている最中にも不思議なことが起こっています。

鍵のしまったドアが開いたり、トイレットペーパーが散乱していたり。

今回の調査で何者かを連れて帰ってきたらしいです。

なるべく早く帰ってもらう為にも今、祈祷中です。


くれぐれも遊びで心霊スポットには行かないほうがよいでしょう。